AGAについて

あなたのその症状はAGA?抜け毛・薄毛の症状と原因、AGA治療法を解説

抜け毛や薄毛が気になり、「もしかしてAGA…?」と不安を抱えていませんか?この記事では、AGAの症状について初期から進行期まで詳しく解説し、その原因や治療法、費用相場まで網羅的にご紹介します。AGAかどうかを自己診断できるチェック項目も掲載。AGA以外の抜け毛・薄毛の原因についても触れているので、あなたの症状がAGAによるものなのか、他の原因によるものなのかを判断する材料として活用できます。適切な治療法を選択するために必要な情報が満載です。ぜひ最後まで読んで、今後の対策にお役立てください。

1. AGAとは?

AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略で、日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれています。思春期以降の男性に多く見られる進行性の脱毛症で、額の生え際や頭頂部が薄くなるのが特徴です。AGAは病気であり、放置すると薄毛が進行してしまうため、早期の治療が重要です。

AGAは、遺伝的な要因と男性ホルモンの影響が主な原因と考えられています。男性ホルモンの一種であるテストステロンが、酵素の5αリダクターゼの働きによってジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。このDHTが毛乳頭細胞の受容体と結合することで、毛髪の成長サイクルを乱し、髪の毛が細く短くなる、成長期が短くなるといった変化を引き起こします。結果として、十分に成長しないうちに髪の毛が抜け落ちてしまうのです。

AGAは進行性の脱毛症であるため、早期に適切な治療を開始することが大切です。AGAは、以下の7つのステージに分類されます。ご自身の状態を把握し、適切な対策を取りましょう。

ステージ症状
I額の生え際がやや後退し始める
II額の両側が後退し、M字型になる
III額のM字部分がさらに後退し、薄毛が目立つようになる
IIIa額のM字型に加え、頭頂部の薄毛も進行し始める
IV額と頭頂部の薄毛部分がつながり始める
V額と頭頂部の薄毛部分が帯状につながる
VI頭頂部全体の毛髪が薄くなり、頭皮が透けて見える
VII側頭部と後頭部を残して、ほとんどの毛髪がなくなる

AGAは自然に治癒することは難しいため、専門の医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。治療法には、内服薬、外用薬、メソセラピー、植毛などがあります。医師と相談し、自身の症状やライフスタイルに合った治療法を選択しましょう。

AGAは進行性の病気であることを理解し、少しでも気になる症状があれば、早めに専門医に相談することが大切です。自己判断で治療を遅らせると、薄毛の進行が進んでしまう可能性があります。早期発見・早期治療がAGA対策の鍵となります。

2. AGAの症状をチェック!こんな症状ありませんか?

AGA(男性型脱毛症)は進行性の脱毛症であり、早期発見・早期治療が大切です。以下の症状に心当たりがあれば、AGAの可能性があります。ご自身の症状と照らし合わせてチェックしてみてください。

2.1 AGAの初期症状

AGAは初期段階では自覚症状が少ない場合もありますが、以下の兆候が見られることがあります。

  • 抜け毛の本数が増えた:朝起きた時やシャンプー時に、以前より抜け毛が増えたと感じる。1日に100本以上の抜け毛は要注意です。
  • 髪の毛が細くなってきた:以前より髪の毛が細く、コシがなくなってきたと感じる。
  • 頭皮が脂っぽくなってきた:頭皮の皮脂分泌が増え、べたつきや臭いが気になる。
  • 前頭部や頭頂部の髪の毛が薄くなってきた:AGAは前頭部(生え際)や頭頂部から薄毛が進行していくケースが多いです。鏡でチェックしてみましょう。

2.2 AGAの進行した症状

AGAが進行すると、以下の症状が顕著になります。

  • 前頭部の生え際が後退する(M字型):額の生え際が徐々に後退し、M字のような形になる。
  • 頭頂部の毛が薄くなる(O字型):頭頂部の毛が薄くなり、地肌が透けて見えるようになる。O字のように円形に薄毛が進行する。
  • 前頭部と頭頂部の薄毛がつながる(U字型):M字型とO字型の薄毛部分がつながり、U字型になる。
  • 全体的に毛量が少なくなる:頭部全体の毛量が減少し、薄毛が目立つようになる。

2.3 AGAの症状の特徴

AGAの症状には、以下のような特徴があります。

特徴詳細
進行性AGAは自然に治癒することはなく、放置すると徐々に進行します。
男性ホルモンの影響男性ホルモンのテストステロンが、酵素の5αリダクターゼと結合することでジヒドロテストステロン(DHT)が生成されます。このDHTが毛乳頭細胞に作用し、ヘアサイクルを乱すことがAGAの原因となります。
遺伝的要因AGAの発症には遺伝的要因が大きく関わっています。両親や祖父母にAGAの方がいる場合、発症リスクが高くなります。
特定の部位から薄くなるAGAは前頭部や頭頂部から薄毛が始まることが多いです。側頭部や後頭部は比較的残りやすい傾向にあります。

これらの症状はAGA以外にも、他の脱毛症の可能性もあります。自己判断せず、専門の医療機関を受診して、適切な診断を受けることが重要です。特に、急激な抜け毛や円形に脱毛する場合は、AGA以外の疾患の可能性もあるため、早めの受診をおすすめします。

3. AGAの原因を解説

AGA(男性型脱毛症)は、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。主な原因は以下の通りです。

3.1 男性ホルモンの影響

AGAの最大の原因は、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、酵素の5αリダクターゼと結びつくことでジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることにあります。このDHTが毛乳頭細胞の受容体と結合すると、ヘアサイクルが乱れ、髪の成長期が短縮されます。結果として、細く短い毛が増え、最終的には抜け毛につながります。DHTはAGA発症の鍵となる物質と言えるでしょう。

3.2 遺伝的要因

AGAの発症には遺伝的要因も大きく関わっています。特に、母方の家系にAGAの方がいる場合、発症リスクが高まる傾向があります。これは、5αリダクターゼの感受性に関わる遺伝子がX染色体上に存在するためだと考えられています。遺伝的要因はAGAの発症リスクを左右する重要な要素です。

3.3 生活習慣の影響

不規則な生活習慣もAGAの進行を促進する要因となります。睡眠不足や栄養バランスの偏りは、毛髪の成長に必要な栄養素の供給を阻害し、健康な髪を育てるのを妨げます。また、過度な飲酒や喫煙も血行不良を引き起こし、頭皮環境を悪化させる可能性があります。健康的な生活習慣を維持することは、AGA予防にも繋がります

3.4 ストレス

強いストレスは自律神経のバランスを崩し、血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。これにより、毛髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛が増えることがあります。ストレスを適切に管理することもAGA対策として重要です。

3.5 頭皮環境の悪化

頭皮の皮脂の過剰分泌や炎症、乾燥などもAGAの進行を早める可能性があります。頭皮環境が悪化すると、毛根がダメージを受け、健康な髪が育ちにくくなります。適切な頭皮ケアはAGA予防・改善に効果的です。

原因詳細対策
男性ホルモンの影響テストステロンがDHTに変換され、ヘアサイクルを乱すAGA治療薬でDHTの産生を抑制
遺伝的要因5αリダクターゼの感受性に関わる遺伝子の影響生活習慣の改善、専門医への相談
生活習慣の影響睡眠不足、栄養バランスの偏り、過度な飲酒・喫煙など規則正しい生活、バランスの良い食事、禁煙
ストレス自律神経の乱れ、血行不良、ホルモンバランスの乱れストレスマネジメント、適度な運動
頭皮環境の悪化皮脂の過剰分泌、炎症、乾燥適切なシャンプー、頭皮マッサージ、保湿ケア

これらの要因が単独で、あるいは複数組み合わさってAGAを引き起こすと考えられています。AGAは進行性の疾患であるため、早期発見・早期治療が重要です。少しでもAGAの症状が疑われる場合は、専門医に相談することをお勧めします。

4. AGAの進行度チェック

AGAの進行度は、一般的にハミルトン・ノーウッド分類が用いられます。ご自身の状態を把握し、適切な治療を選択するために、以下の分類を参考にしてみてください。ただし、自己判断は避け、専門医の診断を受けることが重要です。

4.1 ハミルトン・ノーウッド分類

男性型脱毛症(AGA)の進行度を測る指標として広く用いられているのが、ハミルトン・ノーウッド分類です。この分類は、額の生え際の後退や頭頂部の薄毛のパターンに基づいて7つのステージに分けられます。

ステージ症状イメージ
ステージ1生え際にほとんど変化は見られない状態。ステージ1の画像
ステージ2額の両端(こめかみ)の生え際がやや後退し始める。M字型に薄くなる。ステージ2の画像
ステージ3額の両端の生え際の後退がさらに進行。M字型が深くなる。または、頭頂部の薄毛が始まる。ステージ3の画像
ステージ4額の生え際の後退と頭頂部の薄毛がさらに進行。両者の間にはまだ髪の毛が残っている。ステージ4の画像
ステージ5額の生え際と頭頂部の薄毛部分が広がり、両者の間の髪の毛が少なくなる。ステージ5の画像
ステージ6額の生え際と頭頂部の薄毛部分がつながり、頭頂部全体が薄くなる。ステージ6の画像
ステージ7最も進行した状態。側頭部と後頭部に残った髪の毛も細く、薄くなっている。ステージ7の画像

AGAの進行は人それぞれで、必ずしもこの分類通りに進行するとは限りません。 また、進行のスピードも個人差があります。

4.2 セルフチェックの注意点

鏡で自分の頭の状態を確認することは、AGAの進行度を把握する上で有効な手段です。しかし、セルフチェックだけでは正確な診断はできません。 以下の点に注意しましょう。

4.2.1 写真による経過観察

定期的に同じ角度、同じ照明で頭皮の写真を撮ることで、客観的に状態の変化を捉えることができます。 数ヶ月前の写真と比較することで、薄毛の進行度合いをより正確に把握できます。

4.2.2 家族歴の確認

AGAは遺伝的要因が大きく関わっています。父親や祖父などに薄毛の方がいる場合は、自身もAGAを発症する可能性が高いとされています。家族歴を確認することも、AGAの進行度を予測する上で重要な要素となります。

4.2.3 専門医による診断の重要性

AGAの治療は早期開始が重要です。 自己判断で治療を始めるのではなく、専門の医療機関を受診し、正確な診断を受けるようにしましょう。 医師による診察と適切な治療を受けることで、AGAの進行を抑制し、健康な髪を取り戻す可能性を高めることができます。

5. AGAの治療法

AGA治療は、進行を食い止め、発毛を促進することを目的として行われます。大きく分けて医療機関での治療と自宅でできるケアの2種類があります。自分に合った治療法を選択するために、それぞれのメリット・デメリットを理解しておきましょう。

5.1 医療機関での治療

医療機関では、専門医による診察に基づいて、症状に合わせた適切な治療を受けることができます。効果の高い治療法が期待できる反面、費用が高額になる傾向があります。

5.1.1 AGA治療薬(内服薬)

AGA治療薬の内服薬は、体の中からAGAの原因にアプローチする治療法です。主な内服薬としては、プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)などがあります。これらの薬は、男性ホルモンの働きを抑制することで、AGAの進行を抑制する効果が期待できます。

薬剤名主な効果副作用
プロペシア(フィナステリド)DHTの産生を抑制性欲減退、勃起不全など
ザガーロ(デュタステリド)DHTの産生をより強力に抑制プロペシアと同様の副作用、より発生頻度が高い可能性

5.1.2 AGA治療薬(外用薬)

AGA治療薬の外用薬は、頭皮に直接塗布することで、発毛を促進する効果が期待できます。主な外用薬としては、ミノキシジルなどがあります。ミノキシジルは血管拡張作用があり、頭皮の血行を促進することで、毛母細胞に栄養を届け、発毛を促します。

薬剤名主な効果副作用
ミノキシジル血管拡張作用による発毛促進頭皮のかゆみ、発疹など

5.1.3 メソセラピー

メソセラピーは、頭皮に直接、発毛促進効果のある薬剤を注入する治療法です。内服薬や外用薬では届きにくい毛乳頭に直接薬剤を届けることができるため、高い効果が期待できます。注入する薬剤は、患者さんの症状に合わせてカスタマイズされます。

5.1.4 植毛

植毛は、後頭部などの毛が濃い部分から毛根を採取し、薄毛の部分に移植する治療法です。自分の毛髪を移植するため、拒絶反応のリスクが低く、確実な発毛効果が期待できます。ただし、外科手術が必要となるため、費用が高額になる傾向があります。大きく分けてFUT法とFUE法があります。

種類方法メリットデメリット
FUT法(ストリップ法)後頭部の皮膚を帯状に切除し、そこから毛根を採取一度に多くの毛根を採取できる後頭部に傷跡が残る
FUE法後頭部から毛根を一つずつ採取傷跡が目立ちにくいFUT法に比べて採取できる毛根数が少ない

5.2 自宅でできるケア

医療機関での治療と並行して、自宅でもできるケアを行うことで、より効果的なAGA対策を行うことができます。継続することが重要です。

5.2.1 育毛剤

育毛剤は、頭皮環境を整え、発毛を促進する効果が期待できます。様々な種類の育毛剤が市販されているため、自分の頭皮の状態や悩みに合わせて選ぶことが重要です。

5.2.2 頭皮マッサージ

頭皮マッサージは、頭皮の血行を促進し、毛母細胞に栄養を届けやすくする効果が期待できます。入浴時や就寝前など、リラックスした状態で行うのが効果的です。

5.2.3 生活習慣の改善

バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動など、健康的な生活習慣を維持することは、AGA対策だけでなく、健康全体にとっても重要です。

6. AGA治療の費用相場

AGA治療は自由診療となるため、クリニックによって費用が大きく異なります。治療内容や使用する薬剤によっても費用は変動します。AGA治療を検討する際には、複数のクリニックでカウンセリングを受け、費用や治療内容を比較検討することが重要です。費用の目安として、主な治療法の相場を以下にまとめました。

治療法費用相場備考
AGA治療薬(内服薬)月額5,000円~20,000円処方される薬の種類や量によって費用が変動します。長期的に服用する必要があるため、総額は高額になる可能性があります。ジェネリック医薬品を選択することで費用を抑えることができます。
AGA治療薬(外用薬)月額5,000円~15,000円内服薬と併用することで効果を高めることができます。
メソセラピー1回30,000円~100,000円複数回の施術が必要となる場合があり、総額は高額になる傾向があります。
植毛40万円~150万円植毛する範囲や本数によって費用が大きく変動します。高額な治療法ですが、効果が持続しやすいというメリットがあります。

6.1 AGA治療薬(内服薬)の費用相場

AGA治療薬の内服薬には、フィナステリドデュタステリドという2種類の有効成分があります。フィナステリドはプロペシア、フィンペシア、デュタステリドはザガーロ、アボルブなどの商品名で処方されています。ジェネリック医薬品を選択することで費用を抑えることができます。

6.1.1 フィナステリド

先発薬であるプロペシアは1ヶ月あたり7,000円~10,000円程度、ジェネリック医薬品であるフィンペシアは1ヶ月あたり2,000円~5,000円程度が相場です。

6.1.2 デュタステリド

先発薬であるザガーロは1ヶ月あたり9,000円~12,000円程度、ジェネリック医薬品であるアボルブは1ヶ月あたり3,000円~6,000円程度が相場です。

6.2 AGA治療薬(外用薬)の費用相場

AGA治療薬の外用薬には、ミノキシジルが有効成分として含まれています。代表的な商品としては、リアップX5プラスなどが挙げられます。ミノキシジル外用薬の費用相場は、1ヶ月あたり5,000円~10,000円程度です。

6.3 メソセラピーの費用相場

メソセラピーは、頭皮に直接薬剤を注入する治療法です。費用は1回あたり30,000円~100,000円程度と、他の治療法に比べて高額です。複数回の施術が必要となる場合があり、総額は高額になる傾向があります。

6.4 植毛の費用相場

植毛は、自分の後頭部から毛根を採取し、薄毛の部分に移植する治療法です。費用は植毛する範囲や本数によって大きく変動し、40万円~150万円程度が相場です。高額な治療法ですが、効果が持続しやすいというメリットがあります。自毛植毛人工毛植毛の2種類があり、自毛植毛の方が高額ですが、定着率が高く自然な仕上がりになるため、近年では主流となっています。

AGA治療にかかる費用は、治療法や使用する薬剤、クリニックによって大きく異なります。治療を受ける前に、複数のクリニックでカウンセリングを受け、費用や治療内容を比較検討することが大切です。また、治療費以外にも、診察料や検査費用などがかかる場合があるので、事前に確認しておきましょう。

7. AGA以外の抜け毛・薄毛の原因

抜け毛や薄毛の症状はAGAだけが原因ではありません。AGA以外にも様々な原因が考えられます。ここでは、AGA以外の代表的な抜け毛・薄毛の原因について解説します。

7.1 びまん性脱毛症

びまん性脱毛症は、頭部全体にわたって薄毛が進行する脱毛症です。AGAのように特定の部位から薄くなるのではなく、全体的に均一に毛髪が薄くなります。女性に多く見られる脱毛症です。

7.1.1 びまん性脱毛症の原因

  • ホルモンバランスの乱れ:出産後や更年期などに女性ホルモンのバランスが乱れることで、びまん性脱毛症が引き起こされることがあります。
  • 栄養不足:ダイエットなどによる極端な食事制限や、偏った食生活によってタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養が不足すると、髪の毛の成長に悪影響を及ぼし、びまん性脱毛症につながることがあります。
  • ストレス:過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、血行不良を引き起こすことで、髪の毛に十分な栄養が行き渡らなくなり、びまん性脱毛症の原因となることがあります。
  • 甲状腺疾患:甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症などの甲状腺疾患も、びまん性脱毛症の原因となることがあります。
  • 薬の副作用:抗がん剤など、一部の薬の副作用としてびまん性脱毛症が現れることがあります。

7.1.2 びまん性脱毛症の治療法

びまん性脱毛症の治療は、原因となっている生活習慣の改善や、ホルモンバランスの調整、栄養指導などを行います。症状によっては、ミノキシジル外用薬や、パントテン酸カルシウム、ケラチンなどの内服薬が処方される場合もあります。

7.2 円形脱毛症

円形脱毛症は、頭皮の一部または全身の毛が円形または楕円形に抜け落ちる脱毛症です。10円玉のような脱毛斑が1つ、あるいは複数できるのが特徴です。単発型、多発型、全頭型、汎発型などの種類があります。

7.2.1 円形脱毛症の原因

  • 自己免疫疾患:円形脱毛症は、自分の免疫システムが誤って毛包を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種と考えられています。
  • 遺伝的要因:家族に円形脱毛症の患者がいる場合、発症リスクが高まることが示唆されています。
  • アトピー性皮膚炎:アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を合併している場合に、円形脱毛症を発症しやすくなることがあります。
  • ストレス:強いストレスがきっかけで発症したり、症状が悪化したりすることがあります。

7.2.2 円形脱毛症の治療法

円形脱毛症の治療法には、ステロイド外用薬、ステロイド局所注射、セファランチン内服、SADBE療法、エキシマライト療法などがあります。症状や患者の状態に合わせて適切な治療法が選択されます。

7.3 牽引性脱毛症

牽引性脱毛症は、髪の毛を強く引っ張ることで起こる脱毛症です。ポニーテールや braids、エクステンションなどを長時間続けることで、毛根に負担がかかり、髪の毛が抜けやすくなります。

7.3.1 牽引性脱毛症の原因

  • ヘアスタイル:きつく髪を結ぶポニーテールや braids、コーンロウ、お団子ヘア、エクステンションなどが主な原因です。特に、同じヘアスタイルを長時間続けることで、毛根への負担が大きくなり、脱毛につながりやすくなります。

7.3.2 牽引性脱毛症の治療法

牽引性脱毛症の治療は、原因となっているヘアスタイルをやめることが重要です。髪を引っ張らないヘアスタイルに変えることで、自然に髪の毛が生えてくることが多いです。また、頭皮マッサージや育毛剤の使用も効果的です。

脱毛症の種類特徴主な原因主な治療法
びまん性脱毛症頭部全体が薄くなるホルモンバランスの乱れ、栄養不足、ストレスなど生活習慣の改善、ミノキシジル外用薬、パントテン酸カルシウム内服など
円形脱毛症円形または楕円形に脱毛する自己免疫疾患、遺伝的要因、ストレスなどステロイド外用薬、ステロイド局所注射、セファランチン内服など
牽引性脱毛症髪を引っ張ることで脱毛するきついヘアスタイルヘアスタイルの変更、頭皮マッサージなど

これらの他にも、脂漏性皮膚炎、粃糠性脱毛症など、様々な原因で抜け毛・薄毛が引き起こされる可能性があります。抜け毛や薄毛が気になる場合は、自己判断せずに専門の医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

8. よくある質問

AGA治療に関するよくある質問にお答えします。

8.1 AGA治療薬の効果はいつから現れますか?

AGA治療薬の効果が現れるまでには個人差がありますが、一般的には3~6ヶ月程度かかると言われています。効果を実感するまでにはある程度の期間が必要ですので、焦らずに治療を継続することが大切です。

8.2 AGA治療薬の副作用はありますか?

AGA治療薬には、初期脱毛、性欲減退、勃起機能不全などの副作用が起こる可能性があります。副作用の発現率や程度には個人差があります。副作用が気になる場合は、医師に相談しましょう。

8.3 AGA治療薬は一生飲み続けなければいけませんか?

AGA治療薬の効果を維持するためには、継続的な服用が必要です。服用を中止すると、AGAの進行が再び始まる可能性があります。治療期間や服用方法については、医師と相談しながら決定しましょう。

8.4 AGA治療薬は市販薬で代用できますか?

AGA治療薬は医療機関での処方が必要な医薬品です。市販薬の中には「育毛剤」や「発毛剤」として販売されているものもありますが、これらはAGA治療薬とは異なるものです。AGAの治療には、医療機関を受診し、適切な治療薬を処方してもらうようにしましょう。

8.5 AGA治療は保険適用されますか?

AGA治療は基本的に保険適用外です。費用は医療機関によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

8.6 生活習慣の改善でAGAは治りますか?

生活習慣の改善はAGAの進行を遅らせる効果は期待できますが、AGAを根本的に治すことはできません。AGA治療薬と並行して生活習慣の改善に取り組むことで、より効果的な治療が期待できます。

8.7 AGA治療はどのくらいの費用がかかりますか?

AGA治療の費用は、治療内容や医療機関によって大きく異なります。内服薬、外用薬、メソセラピー、植毛など、様々な治療法があり、それぞれ費用が異なります。詳しくは各医療機関にお問い合わせください。

8.8 どの治療法が自分に合っているのか分かりません。

どの治療法が適しているかは、AGAの進行度や個々の体質、生活習慣などによって異なります。医師に相談し、適切な治療法を選択するようにしましょう。

8.9 ミノキシジルとフィナステリドの違いは何ですか?

項目ミノキシジルフィナステリド
作用機序血管拡張作用により頭皮の血行を促進し、発毛を促進男性ホルモンの働きを抑制し、AGAの進行を抑制
種類外用薬内服薬
主な副作用頭皮のかゆみ、発疹、動悸初期脱毛、性欲減退、勃起機能不全

ミノキシジルは血管拡張作用によって頭皮の血行を促進し、発毛を促進する外用薬です。フィナステリドは男性ホルモンの働きを抑制し、AGAの進行を抑制する内服薬です。それぞれ作用機序や副作用が異なるため、医師と相談の上、適切な薬剤を選択することが重要です。

8.10 AGAは遺伝しますか?

AGAは遺伝的な要因が大きく関わっていると考えられています。両親にAGAの方がいる場合、AGAになるリスクが高くなります。しかし、遺伝だけが原因ではなく、生活習慣やストレスなども影響します。

8.11 頭皮マッサージは効果がありますか?

頭皮マッサージは頭皮の血行を促進し、発毛を促進する効果が期待できます。ただし、頭皮マッサージだけでAGAを治すことはできません。AGA治療薬と併用することで、より効果的な治療が期待できます。

8.12 植毛はどんな人に向いていますか?

植毛は、AGAがかなり進行し、薬物療法では効果が期待できない場合に有効な治療法です。また、額の生え際の後退や頭頂部の薄毛など、特定の部位の薄毛が気になる人にも適しています。ただし、植毛は外科手術であるため、費用やリスクを十分に理解した上で検討する必要があります。

9. まとめ

この記事では、AGA(男性型脱毛症)の症状、原因、治療法について解説しました。AGAは進行性の脱毛症であり、放置すると薄毛が進行する可能性があります。初期症状としては、抜け毛の増加、髪の毛の細りなどが挙げられます。AGAの原因は、遺伝的要因や男性ホルモンの影響が大きく、生活習慣やストレスなども関係しています。
AGAの治療法としては、医療機関での治療薬(プロペシア、ザガーロなど)の内服・外用やメソセラピー、植毛などがあります。自宅でできるケアとしては、育毛剤の使用や頭皮マッサージ、生活習慣の改善などが効果的です。AGAかなと思ったら、まずは専門の医療機関に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。AGA以外の脱毛症の可能性もありますので、自己判断せず、医師の診断を受けることが大切です。

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